トランジットモール 社会実験

近年、交通バリアフリー新法などが施行され、ハード面とソフト面が一体化した整備がなされていますが、まだまだクルマ中心の社会で、
”人が安心して歩けるまち”にはほど遠いのが現状です。
歩行者中心の視点から見たまちにしようと、興味深い社会実験が2007年10月、京都で行なわれました。


「トランジットモール」とは歩行者天国のことで、まちの中心部の一部地域を歩行者と公共交通機関だけしか入れないように規制することで、
バス・路面電車・タクシーなどがスムーズに運行でき、歩行者もゆったりあるくことができます。
この一定のゾーンとの出入りは、ゾーン周辺の駐車場に駐車し、公共交通機関を使って出入りします。通り抜ける一般車は迂回します。

10月14日の様子

トランジットモールの説明 実施要綱 実施エリアについて

実施地域にはこのような垂れ幕などで、事前に告知されていたようです。



規制1 規制2

四条通の烏丸交差点の様子。
 ここから河原町交差点までの間が今回の社会実験区間。


歩道拡大 全景1
全景2 ベンチ

車道は中央2車線(片側1車線ずつ)とし、店舗寄りの1車線を歩行者用として拡大します。


規制1 規制2

通行しているのはバスとタクシーのみ。 ゾーン外との行き来にも使えるよう、100円バスを増発したようです。


河原町交差点

東端の河原町交差点のようす。



段差

京都では将来的に「四条烏丸〜祇園」、「四条河原町〜河原町御池」などを トランジットモールとし、周辺地域などにLRT(路面電車)を走らせようという計画(下記リンク参照)があり、
その一環として今回の社会実験が実施されました。

実際に通ってみた感想としては、歩きやすいし、バスの乗り降りもしやすそうです。
例えば、東西に通行しようとする場合、交差点で南北の信号待ちの歩行者と重なる場合がありますが、歩道が広いとお互いが邪魔にならず、スムーズに歩けます。
ただ、今回は車道を活用しているため上写真のような段差も残るわけで、本格的に実施されたときには、横方向の動きやすさも重要になりそうです。
また、歩行者と自転車の分離ができれば、もっと進みやすくなると感じました。

いずれにしても、今回の社会実験をきっかけとして『歩行者に優しいまち』が全国に広まってほしいものです。


参考: 京都市HP内 「新しい公共交通システム」 のページへのリンク


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