ユニバーサルデザインを取り入れた先進校 神戸市立高羽小学校

神戸市灘区にある、神戸市立高羽小学校は、ユニバーサルデザインに関する先進校として注目されています。
校内はどのような工夫がされているのでしょうか。

なお、写真撮影・当HPへの掲載については、学校の許可を得ています。


高羽小学校では、2006年度の5年生の総合学習のテーマとして、ユニバーサルデザインを取り上げ、
『自分たちの学校を通じてユニバーサルデザインを考えよう』としました。

一方、高羽小学校の新校舎建設で、ハード面のバリアフリー化が進み、
案内などのソフト面でのユニバーサル化と、生徒さんの学習とが直結しました。

生徒作成のイラストが入った、校内案内図

高羽小学校の玄関には、イラスト入りの校内案内図があります。

案内図 拡大1 案内図 拡大2
案内図 拡大1 案内図 拡大2

イラストの図案は、当時の5年生の生徒が考えたもの。
この図案を拡大・縮小して、ピクトグラム(絵文字)として、校内で使用しています。
(上写真2枚は、クリックすると拡大します)



生徒用トイレ

生徒2人1組で障害疑似体験 歩きにく〜い!!
和式・洋式のシール 和式・洋式のシール

廊下からトイレへの入口にはドアがなく、幅が広く取られています。
各階に車イス対応トイレがあり、
一般トイレも、個室の入口横のシールで、和式か洋式かがすぐにわかります。

生徒2人1組で障害疑似体験 歩きにく〜い!! 歩きにく〜い!!

男子トイレ。水洗ボタンが大きく押しやすい、高さの違う洗面台があるなど、使いやすいように工夫されています。


エレベーター

生徒2人1組で障害疑似体験 歩きにく〜い!!

車イス等、階段を使いにくい生徒や来客が使用するエレベーター。

イラスト入り案内図が、ここでも活躍。


階段

階段の「フロア案内図 手すり

手すりの終端は曲がっているなど、
近年のユニバーサル設計も取り入れられています。


教室

教室入口 体育館入口

教室だけでなく、体育館の出入口も段差なし。



うわさに聞いていた高羽小学校のユニバーサルデザイン。
今までは 『段差があってあたり前』 だった学校内も、子どもたちのケガの危険性などを考えると、もっと早くにユニバーサルの考え方が取り入れられていてもよかったのでしょう。
まだ各校によってバリアフリー化の度合いにはバラつきがあるようですが、「みんなで一緒に学べる校舎」を目指して、各校で改修が進んでいくといいなと思います。

ユニバーサルといっても、「学習」として、本で習ったり、当事者の話を聞いたりしただけで終わってしまい、重要性に気づくのは何年後かな、と思うこともある中で、 高羽小学校での取り組みは、大人が設計し、整備しただけでは見落としがちなところも、子どもたち自身の目線が活かされています。
ユニバーサルデザインのひとつに 『ピクトグラム』 (絵文字)がありますが、子どもたち自身が考えたイラストをピクトグラムとして校内各所に取り入れることは、 「自分たちがユニバーサル化に取り組んだ成果」が残るという点でも、すごくよいことだと思います。
子どもたちを中心にしていたからこそ、学校のソフト面でのユニバーサル化が進んだのでしょう。
近年のユニバーサル設計も十分に取り入れられており、『校内で困る』ということが少ない建物だと感じました。



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