乗合バス関係のバリアフリー化の状況と今後の目標
<乗合バス関係のバリアフリー化の状況と今後の目標>
1.乗合バス車両については、平成12年3月現在で、
これらバリアフリー化されたバスの合計は2450両となっている。
2.1日当たりの乗降客数が5000人以上のバスターミナルについては、平成12年3月現在で、
となっている。
3.乗合バス関係のバリアフリー化の今後の目標については、
としている。
<ノンステップバスについて>
バス関係のバリアフリー化の中で、その導入が急がれているノンステップバスについていくつか調べてみた。
ノンステップバスとは、誰でも乗降しやすいように、床を低くして乗降口の階段をなくしたバスのことである。従来のバスとの違いは、ノンステップバスは、床下の機材を主に後方部分に集中させることで、床を地上から30〜35センチと低くし、乗降口の階段をなくしただけでなく、空気圧で車体を下げるニーリング(車高調整)装置が付いているので、さらに7センチほど引き下げられる。
従来のバスは2、3段のステップに、床の高さは約80〜90センチ。また最近一部で導入されているスロープ付き低床バスでも約55センチなのに比べると格段に低くなっている。
停車時に道路の縁石との差は約8センチまで縮められるため、大きく足を持ち上げにくい高齢者や子供、身体障害者、また大きな荷物を持った人など、誰でも乗降が楽にできる。車椅子が介助なしでも乗り込めるようにスロープを併設したものが一般的とされているが、まだまだ導入台数は少ないのが現状である。
ワンステップバス「ふれあい号」 右の写真は、神姫バス自慢のワンステップバスの「ふれあい号」。 神姫バスがワンステップバスを導入したのは平成5年の6月。関西で最初のワンステップバスの導入だった。 |
兵庫県におけるノンステップバス導入状況
事 業 者 |
形 式 |
台数 |
供用(導入)時期 |
備考・その他(車番) |
神 姫 バ ス |
日 野 KC-HU2PMCE |
2 |
2000年1月 |
|
三 菱 KC-MP747K |
1 |
2000年6月 |
前後扉 |
|
三 菱 KL-MP37JM |
4 |
2000年12月 |
中扉引戸 |
|
日 野 KL-HU2PMEE |
4 |
2000年12月 |
6571〜6573 |
|
山陽電気鉄道 |
いすゞ KL-LV834L1 |
2 |
2000年12月 |
1096〜1097 |
神戸市交通局 |
日 デ UA460MAM |
2 |
1998年10月15日 (9月) |
3ドア (中扉:車椅子専用) |
日 野 KC-HU2PMCE |
8 |
2000年1月11日 (99年12月) |
3ドア (中扉:車椅子専用) |
|
日 デ KC-UA460KAM改 |
4 |
2000年6月 (5月) |
CNGバス |
|
日 デ KL-UA272KAM |
4 |
2001年2月 |
|
|
三 菱 KK-MJ26HF改(9m) |
3 |
2001年8月3日 |
|
|
日 デ KK-RM252GAN改 |
1 |
2001年11月? |
CNGバス、中型 |
|
尼崎市交通局 |
三 菱 KC-MP747K |
11 |
1998年4月4日 (3月) |
|
三 菱 KC-MP747K |
8 |
1999年3月 |
|
|
日 野 KC-HU2PMCE |
2 |
1999年3月 |
10-825〜10-826 |
|
日 デ KC-UA460HAN改 |
10 |
2000年2月 |
西日本車体工業・中扉引戸 |
|
いすゞ KL-LV280L1改 |
8 |
2001年3月 |
中扉引戸 |
|
日 野 KL-HU2PMEE |
2 |
2001年3月 |
中扉引戸 12-827〜12-828 |
|
姫路市交通局 |
日 デ UA460KAM |
2 |
1998年10月28日 |
中扉引戸 |
いすゞ KK-LR233J1改 |
6 |
2000年2月 |
中型 |
|
日 デ KK-RM252GAN |
6 |
2001年2月 |
中型 |
|
伊丹市交通局 |
三 菱 KC-MP747K |
2 |
1997年12月18日 (11月) |
|
いすゞ KC-LV832N |
4 |
1999年11月 |
|
|
いすゞ KL-LV834L1 |
4 |
2000年10月 |
|
|
明石市交通局 |
日野 KK-HR1JKEE |
1 |
2001年2月 |
中型 |
<日本でノンステップバスが走るまで>
ノンステップバスは、ヨーロッパ、特にドイツやデンマークで普及が進んでいる。しかしこれまで国内では、輸入車は装備やメンテナンスなどの問題で使用するのが難しく、国産車は開発に時間と費用がかかり、また車体の価格が高くなるため、赤字路線が多い路線バスでは本格的に使われた事がなかった。このため、運輸省(現在は国土交通省)は、1993年度から1995年度にかけて、「人にやさしいバス」を考える検討会を開催。バス事業者、メーカー、学識者が参加し、ノンステップバスの統一仕様案をまとめた。
1964年度(昭和39年度)より長年3扉車を中心に全長10メートル以下の車両は前後扉車で導入していた東京の関東バスも1996年度(平成8年度)導入車から、すべて前中扉配置の車両になった。これは、この年度に各営業所に中扉に車椅子用スロープを装備した日産ディーゼル製KC−JP250NTN改ワンステップバスを2両導入するにあたって、一般車両も同じドア配置としたためである。
低床バスの先進国ヨーロッパでは、自由なドア配置ができる車両が充実している。
1985年春に名古屋鉄道では、名古屋で開催されたインポートフェアに合わせてヨーロッパのワンステップバスが導入された。この車両はベルギー製のバンホールドAU138Jで、直列6気筒5680ccエンジンをホイルベース間のドア側座席下に搭載し、リアタイヤもシングルの構成で車内通路に余裕を持たせた設計の、前後扉の中型ワンステップバスである。
このバンホールAU138Jは前扉・後ろ扉ともに非常に幅広で、またフラットな床と広い通路が特徴である。この車両は現在の日本のワンステップバスの動向である車椅子用のスロープは装備していないが、乗降のし易さには優れている。ヨーロッパではこのような車両が、スタンダードなタイプとして台数を増やしてきた。思い切ったコンセプトで開発された結果が、このような車両の普及につながり、ノンステップバスの開発も盛んに行われ、超低床のCNGバス等も登場している。
超低床車の開発は、1991年(平成3年)の都庁新庁舎オープンに合わせて東京都交通局に導入された3ドアワンステップ車両が現在のノンステップバス開発につながっている。しかし、現在の日本のワンステップバスは、前中扉間のみがワンステップとなっており、中扉以後の通路に段差や大きな傾斜がつき、後扉の設定がないものがほとんどである。最近導入が始まったノンステップバスやワンステップバスは、ほとんどが車椅子用のスロープを装備した、前中扉車である。
ドア配置は各事業者が長年、試行錯誤をしている。東日本の前中扉や関西の前後扉など、それぞれの地域や運賃支払方法などのいろいろな要因で、複雑に変化してきている。それぞれにメリット、デメリットがあり、一概には決めつけられるものではない。特にドア配置の変更でひとつの路線に複数のドア配置の車両が混ざって走るのは、利用者にとって非常に不親切であり、ドア配置の変更はバス事業者にとって勇気のいる決断なのである。
今後の動向として、従来型のシャーシを基に低廉で整備などもしやすく、車椅子でも乗降できるスロープを装備したノンステップバスは、今後も台数を増やしていくだろう。車両のコストを下げる目的で、東京の事業者から大阪市交通局などへ、標準化しやすい前中扉を推進する働きかけもあるようだ。そして低公害化の促進と合わせた新車種としての総合的な開発にも期待がかかっている。動力ユニットの配置やエネルギー源は、低床車両の開発に大きな影響を与えている。また最近では車椅子でも普通の人と同じように乗降できる前扉にスロープを取り付けた車両がモーターショーなどに出展され、バリアフリーからユニバーサルデザインへと志向も高くなってきている。
しかし、現状の問題点として、日本の道路は、道路によって歩道の高さが異なる場合や、違法駐車が停留所付近にあった場合、バスが歩道に近づけないなどの事態もある。積雪の多い地域においては、低床バスが使えるかどうかという問題もある。
<明石におけるバスの現状>
↑ 明石駅南側バスターミナル
★問題点★
★疑問点★
<明石市営バスのノンステップバス試乗・意見交換>
◆ 訪問の趣旨
2001年3月1日から運行を始めている市内初の「ノンステップバス」についてのレクチャーを希望。
◆ ノンステップバス試乗の様子
9時55分発、市民病院経由〜交通部和坂車庫行きのノンステップバスに試乗。バスは2001年2月導入、3月1日から運行を始めている中型のノンステップバスで、車椅子は1台しか乗車できない。バスが混雑していたせいもるが、明石市営バス職員により車椅子固定用ベルトを装着するのに、約10分かかり出発が遅れる。しかも固定用ベルトの装着の仕方を間違えていた。2001年3月からの車椅子での利用者は2名で、運転手、職員の手際の悪さが目立った。車椅子での利用者もこれだけ乗降に時間がかかると他の乗客に迷惑をかけてしまい、気軽にはノンステップバスを利用しにくい。
↑ ノンステップバス乗降の様子
◆ 明石市営バスからの説明
◆ 今後について
◆ 今後の課題